SE、ITエンジニアとして需要が高く稼げる技術分野とは
SIer（システムインテグレータ）などでITエンジニアとして生きていくことを決めた、もしくは就職、転職先としてSIerを検討している方の多くが最初に決めなければいけないことがあります。
それはこの先、SE（システムエンジニア）としてどの技術分野を専門にしていくかということです。
SIerの企業によっては配属先が勝手に決められていて、携わる業務も選択の余地がないという方も多いと思いますが、定期面談やプロジェクトの区切りなどで、そのうち自分がSEとしてどの道に進みたいかを選択できるチャンスはきっと来ると思います。
会社としても、社員が興味のある技術に対して専門性を高めてもらった方が効率がいいからです。
私の所属していたSIerの場合は、配属される前に自分がどの技術分野に興味があるかを問われるアンケートがあり、その回答が最大限考慮されて配属先の部署やプロジェクトが決定されました。
そのとき私はSIerに入社したものの、SEの仕事のことを全く知らなかったため、イメージだけで半ば適当に回答したことを覚えています。
その結果配属されたのが「オープン系」のプロジェクトでした。
当時興味のある技術分野が特になかったので、流されるままSIerとしてプロジェクトを転々とするうちに、いつの間にか「オープン系のエンジニア」としてのレッテルが貼られていました。
このことを今では少し後悔しています。SEは入社して数年で自分のエンジニアとしての性質が定まり、その後はその実績に基づいたプロジェクトへ即戦力要員として配属されるようになります。
早い段階で自ら希望して、もっと需要と汎用性がある技術分野へ進んでいたら、もっと楽しく仕事ができて、将来の選択肢が広がったかもしれません。
これからSIerとして活躍することを予定している方、活躍して間もない方は、SEにはどういう技術系統があるかを学び、何が自分に向いているのかを是非早い段階で見極めて欲しいと思います。
ここでは、SIerとして需要の高い、稼げる技術分野を紹介しますが、最終的には自分が興味を持てる分野に進むことが最も大事だと思います。
SIerのメリットについては、こちらの実体験を合わせてご覧ください。
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第3位 Webエンジニア
SEとしての技術系統は大きく「オープン系」「Web系」「汎用系」「制御系」などに分かれますが、現在では圧倒的にWeb系エンジニアの需要が高いと言えます。
Webエンジニアはインターネットを通じてサービスを提供するアプリケーション開発に特化した技術者です。
昨今、GoogleやAmazon、FacebookやTwitterなど、Web業界を名だたる世界的企業が席巻しています。すでにWebエンジニアの需要に対する人手不足が各所で起きているにも関わらず、Webサービスの開発需要は今後もますます増加することが予想されます。
そのため、需要に対する供給が追いつかず、必然的にWebエンジニアの単価も更に高まっていく傾向にあると言えます。
また、Webエンジニアは独立してフリーランスとして活動しやすいことが特徴です。
オープン系や汎用系、制御系の技術者は企業に属して（常駐して）働くことが多い傾向にありますが、Webエンジニアはスキルと経験さえあれば、企業から開発を受注してリモートで仕事を完結させることもできます。
フリーランスは直接個人で仕事を受注するため、一般的には企業に所属するよりも大きな収入を得ることが可能となり、パソコンひとつでどこからでも仕事ができる点は大きな魅力と言えるでしょう。
ただしWebの世界はテクノロジーの進化も早く、常に学習しながら新しい技術を自ら取り入れていく必要があります。
そのため、常に最新の情報と技術を受け入れながら自分をアップデートしていく努力が必要となるでしょう。
第2位 データ・サイエンティスト
データ・サイエンティストは、企業や組織が様々な意思決定を必要とする局面において、これまでのような意思決定者の経験、知見やカンなどに頼った判断基準ではなく、積み上げられたデータに基づいた合理的な判断が行えるように意思決定者をサポートする業務に従事します。
データ・サイエンティストは今をときめく時代の寵児たる職務であり、この分野が発展してきた裏にはビッグデータを活用する時代の流れと、それを活用できるだけのコンピュータの性能や技術が飛躍的に向上してきたという背景があります。
情報化社会の中で日々生成されては捨てられてきた、これまで保管や処理が難しかった膨大な非構造的、非定形的な様々な種類のデータを解析、活用することでビジネスの場に活かすことがデータ・サイエンティストのミッションになります。機械学習（AI）やディープランニングといったものもデータ・サイエンティストの領域です。
データ・サイエンティストに必要なスキルは以下のようなものです。
- ITスキル（プログラミング、データベース、クラウドの知識）
- ビジネススキル（分析対象のビジネスの知見、レポーティング能力）
- 統計学
求められるスキルは高いですが、その分非常に高い収入が見込めるため、年収1,000万〜2,000万円程度は十分に望めます。
この分野に興味があり、特に新卒入社の場合にこの分野へチャレンジする選択肢が与えられた場合は、積極的に挑戦してみることをお勧めします。
【スタディング データサイエンティスト講座】
データサイエンティストのビデオ講座が安価で受講できる数少ないサービスです。
無料講座もあるので、興味のある方は第一歩を踏み出すうえでお勧めです。
第1位 AWSアーキテクト
AWSは「amazon web service（アマゾン・ウェブ・サービス）」の略で、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスになります。
これまで企業はシステムを乗せるサーバを自前で購入し、そのサーバをデータセンターに設置して自分たちで運用していました。
しかしAWSのクラウドサービスを利用することで自前でサーバを購入する必要がなくなり、サーバの運用もAWS社にお任せすることができます。
利用者はアプリケーションをクラウド上の仮想サーバに乗せるだけで運用が可能となり、仮想サーバやサービスを使った分だけ課金される仕組みであるため、フレキシブルにサーバのリソースを確保したり、開放することで無駄な投資が必要なくなります。
また、AWSのメリットはただ仮想サーバをクラウド上に提供するだけにとどまらず、クラウド上でシステムを構築する上で有用な多種多様なサービスを提供している点です。提供しているサービスの数は数百に上り、それらを上手く組み合わせてシステムを構築することで、高い可用性や保守性、コスト効果や高パフォーマンスを実現することができます。
AWSアーキテクトはそれらAWSのサービスを熟知し、フル活用して、効率的かつ効果的なシステムを設計する技術者のことです。
いまやAWSの勢いは増すばかりで、世界中の数多くの大手企業がAWSを活用し、自社の基盤としています。私の所属する銀行でも、自社で抱えるオンプレミスのシステムをAWS上に移行し、ITの開発・運用にかかるコストを削減する動きが加速してきました。
クラウドサービス事業者は、AWS以外にもMicrosoftのAzureやGoogleなどの大手企業がありますが、IaaS/PaaS（インフラ、実行基盤）においてはAWSが圧倒的なシェアを誇り、今後もこの地位は揺るがないものと見られています。
今後も業界問わずAWSの需要は益々高まってくることが考えられるため、現場の肌感覚ですが、企業のIT部門においてもAWSの活用は避けられないでしょう。
AWSにはいくつもの認定資格が難易度、分野に応じて用意されているため、AWSの世界に足を踏み込む場合には、自分のスキルを証明するためにもこれらを取得することをお勧めします。
私も取得しましたが、まずはAWSの認定資格として一般的な「AWSソリューションアーキテクト-アソシエイト」を目指すのが望ましいでしょう。
アメリカのIT研修機関の大手であるグローバルナレッジトレーニング（Global Knowledge Training LLC.）により発表された2020年の最新報告として、「AWSソリューションアーキテクト-アソシエイト」の資格は「最も稼げる認定資格」ランキングで第二位（年収149,446ドル（日本円で約1,600万円））を獲得しています。
これはIT関連スキルと給与データに基づいて算出した結果を纏めた「15 Top-Paying Certifications for 2020（稼げる認定資格 Top15 2020年版）」でレポートされたもので、AWSの需要がいかに高いかを示しています。
AWSソリューションアーキテクト-アソシエイトの取得方法はこちらの記事を合わせてご覧ください。
AWSソリューションアーキテクト-アソシエイトとは AWSは「amazon web service（アマゾン・ウェブ・サービス）」の略で、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。AWSソリューション[…]
さいごに
IT技術の中で高い需要があり、高収入を見込める分野をご紹介しましたが、これからの長い職業人生においては自分が本当に興味を持てる分野に進まなければ、仕事をすることが苦痛になってしまいます。前段でもお伝えしたように、自分の進みたい分野があるのであれば需要や収入にこだわらず進むべきだと思います。
ただ、ITにおいては自分が最初にどの分野で専門性を高めていくかによって、中堅になると方向転換が利きにくい側面もありますので、初期に携わる技術分野についてはよくよく検討して答えを出すべきでしょう。
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体系的なITスキルを身につけよう
IT、プログラミングスキルのベースを身につけるには、最初に専門スクールで学習することをオススメします。独学や仕事の中では体系的なノウハウを身につけることが非常に難しいからです。
体系的なスキルが身についていないと、応用が利かずに行き詰まることが多くなりますので、最初にしっかりとした土台を自分の中に作っておくことが大切です。
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