大手とベンチャーどっちがいいの?
あなたが現在新卒での就職活動、または転職活動を行なっているのであれば、さまざまな企業の情報を就活サイトや雑誌で収集し、自分にはどこが合っているかを色々な角度から検討しているかと思います。
同じ業界でも小中企業から大企業まで会社の規模はさまざまで、会社案内や募集要項には就活生、転職希望者を呼び込むための多くの甘い言葉が並びます。
しかし、ベンチャーや中小企業に紙面上魅力を感じても、その会社によほどの思い入れと確信がない限り、可能な限り少しでも規模の大きな会社に行く方が賢明です。
あえてベンチャーや中小企業を検討するのであれば、実際に所属していた社員の口コミが閲覧できる会社評判サイトで情報を収集し、面接の人事担当者には遠慮なく疑問点をぶつけましょう。
ここでは大手企業を選択することのメリットをお伝えしていきます。
あなたを誘う怪しい謳い文句
ベンチャーや中小企業に限りませんが、以下のような謳い文句を募集案内に掲載しているところは特に要注意です。それぞれどういう理由で怪しいと判断すべきか分かりますか?
「アットホームな会社」は、他に売りがない場合によく使われます。仕事内容で魅力を伝えられないため、雰囲気で押してきます。
「すぐに管理職になれる」は、名ばかり管理職としてコキ使われる可能性が高いです。管理職は労働基準法41条に定められた条項が適用され、労働時間や休日に関して規定されない(縛られない)のですが、これを悪用して残業代を支払わずに過重労働させられる可能性があります。入社したばかりで経験もなくすぐ管理職になれるなんて普通はおかしいですよね。
「初任給25万円スタート(新卒)」に見られるような、通常より初任給を高いベースで募集している企業は要注意です。大手企業でも通常20万円前後が初任給の相場ですが、これよりも高い賃金を提示しているところは、定期昇給でほとんど上がらないことを意味する場合が多いです。
「多くの同期と仕事ができます」は、そもそも従業員数が少ない中小企業が多くの新入社員を募集することがおかしいです。つまり、それだけ定着率が悪く、離職を見越した人数を採用している可能性が高いと言えます。
大手企業を選択するメリット
少し話が逸れましたが、上記のような謳い文句に騙されなかったとしても、できるだけ大規模な大手企業を目指す方がなぜいいのか、その4つのメリットをお伝えします。
① コンプライアンスの管理体制が整っている
コンプライアンスとは「法令遵守」のことですが、大企業は法務、コンプライアンスを管轄する部署がしっかりと組織されています。
コンプライアンスを疎かにすると、大手企業は行政からの罰則や世論からのバッシングによる影響を受けやすく、一発で社会的信用を無くして業績を大きく落とすことに繋がり、最悪の場合は倒産に追い込まれます。
大手企業はコンプライアンスの重要性をしっかりと把握しており、それを遵守することによって企業価値を高めることを理解しているので、社員の労働環境や労働条件についても細かくサポートしてくれます。
昨今問題となっているパワハラやセクハラなどのハラスメントにもしっかりと対応し、解決に向けて本気で動く会社が多いため、安心感を持って働くことができます。
② 福利厚生が充実している
大手企業は福利厚生がほとんどの場合で中小企業よりもしっかり整っています。
福利厚生制度には大きく「法定福利」と「法定外福利」に分けられ、法定福利は事業者側の負担が義務付けられているもので、厚生年金や健康保険、労災保険、雇用保険などがこれに当たります。
企業によって差が出てくるのが「法定外福利」です。
大手企業はこの法定外福利を充実させており、一例で以下のようなものがあります。
- 住宅補助金
- 健康診断補助金
- 育児、介護補助、および休暇制度
- 慶弔見舞金
- 昼食補助、レクリエーション補助
- 資格取得補助金
企業によって自由に設定しているものなので様々な種類がありますが、上記はその中でもより一般的なものだと言えます。
所属を検討している企業については、給与面での待遇以外にその企業が設定している福利厚生をきちんと押さえておかなければ、のちのち企業選択を後悔することにもなりかねません。
特に「住宅補助金」については給与の一部のようなものなので、これがある企業とない企業では、同じ月給でも5万〜10万円の差が出てくることもあります。
③ 社内での配置転換が可能
実際に希望の会社から内定が出て就職が決まっても、実際に働いてみないと仕事内容や社内の人間関係が自分に合っているかは分かりません。
これは非常に大きなリスクです。
せっかく多大な労力をかけて入社した会社にも関わらず、合わないからとすぐに辞めてしまうのはあまりに勿体ないですよね。
しかし、ベンチャーや中小企業は合わなかったら基本的には辞めるしか選択肢がありません。
なぜなら事業規模が小さいため、あなたが「仕事内容が嫌だ」、「人間関係が合わない」と言ったところで他で使える場所がないからです。
一方、大手企業は様々な分野で事業展開をしていたり、多くの部署やプロジェクトを抱えているため、あなたが本当に今の仕事や部署が合わないと訴えた場合には、他の部署や仕事への転属を検討してもらえる余地があります。
配属先が合わなかった場合でも、退職せずに社内の中での配置調整によって会社に所属できる可能性があることは大きなメリットと言えます。
④ 社会的信用がある
大手企業は社会的な地位が確立されています。
特に一般に知られていない企業でも、「東証一部上場企業」「社員数3,000名」「資本金50億円」「売上高300億円」などといったワードや数字が並ぶと、所属している社員に対しても社会的な信用が得られやすいのは間違い無いです。
住宅ローンやクレジットカードの審査が通りやすい、といった面だけでなく、この所属企業が持つ社会的信用が一番効いてくるのは貴方が転職するときです。
私は普段IT部門で銀行員として勤めており、中途採用やパートナー(協力会社)の面接をする機会が多くありますが、例え私がよく知らないような会社でも大手企業に所属しているというだけで圧倒的に印象がいいです。
スキルシートを見たときに同じような能力を持っており、印象も大きく変わらない人材が二人がいれば、大手企業に勤めている方を採用することが多いです。
これは学歴にも通じるところはありますが、「大手企業に採用されている人だったら間違いないだろう」という考えが無意識に働いているからに他なりません。
そのため、将来的な転職への備えといった面でも、大手企業に所属しておく方が間違いはないと思います。
さいごに
実体験をもとに、なぜできるだけ大手企業を目指すべきなのかをご紹介しました。
就職、転職する上で重要視するポイントは人それぞれ異なりますが、どうしても特定の会社に入社したいという想いがないのであれば、将来的にも大手の企業に所属していた方が得策です。
私が最初に入社した会社は大手のSIerでしたが、ネット上の評判はあまり良い会社ではありませんでした。しかし実際に入ってみるとネットで噂されていたようなことはなく、大手ならではのメリットが多くあったと今でも感じます。
大手企業は良くも悪くも知名度があるためネット上などで噂になりやすい面がありますが、実際はブラック企業と呼ばれているようなところでも、噂にもならない一部の中小企業の方がよっぽどブラックであることは良くあります。
あまりネットの情報に流されず、どんな業界でも「迷ったら大手」は就活におけるひとつの判断基準として押さえておくといいかと思います。
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