【就職・転職】銀行ITの面接担当者が教える質問の対策と突破の秘訣

【就職・転職】銀行ITの面接担当者が教える通過の秘訣と不採用理由

面接官の判断基準と面接で聞かれることは?

私は都内大手銀行のIT部門で仕事をしつつ、銀行に就職を希望する新卒や転職者の方の採用担当としても活動しています。
多くはIT部門に配属を予定している方が選考の対象となりますが、IT以外の志望者の採用担当も時折行っており、総計50人以上は面接をしてきました。

中途採用であれば基本的には即戦力となる方を求めているので、各配属先に応じたスキル、経験が一定レベルで必要となりますし、新卒であれば学歴や学部によるフィルタも正直あります。

しかし、求めている一定レベルのスキル、経験や学歴を備えているかどうかは書類選考時に既に判断され足切りされているので、面接に進んでいるのであれば、あとはその人の持つ人間力が採否の鍵を握ることになります。

合否の判断基準は会社によっての特徴はあると思いますが、根っこにあるものはさほど変わらないとも思っています。

人事採用、面接担当者として、どういう視点で応募者の採否を判断しているのかを実体験としてお伝えしたいと思います。

面接の各ステップごとの判断基準と傾向

私の会社の中途採用のケースで言うと、面接による選考は通常以下の3段階で行われます。他の会社でも基本は同じようなステップでしょう。
新卒採用だと採用方針に各社のカラーが出るので、もう少しバリエーションが広がるかもしれません。

①次面接: 人事部担当者による面接
②次面接: 配属先の現場責任者による面接
③次面接(最終): 配属先の部長または担当役員

私は上記②の「現場責任者」の立場で面接をすることが多いですが、それぞれのステップで志望者を見る視点、判断基準は全く異なります。

私は通常各ステップでの面接結果のサマリは閲覧できますので、それぞれのステップの面接でどういう特徴があるか、何を理由に不採用となったのかは把握しています。

これから各ステップごとにその傾向を詳細にお伝えしたい思います。

①次面接: 人事部担当者による面接

人事担当者の志望者を見る視点は主に以下の2点です。

① ビジネスマナー

② コミュニケーションスキル

基本的に人事担当者が見るのはこれだけです。
書類選考によりその人の経歴や経験やスキルは事前に分かっているので、その志望者と実際に会ってみないと分からないことを確認します。

<ビジネスマナー>

1つ目の「ビジネスマナー」の観点では、社会人として服装や身だしなみがきちんと整っているか、礼儀や挨拶などの一般的なマナーは備わっているかを確認します。

会社の品位を落とすような言動や風貌があると、仕事がいくら出来ても会社にそぐわないと判断されてしまいますので、猫を被ってでも印象良く見られることを心がけて優等生を演じてください。

<コミュニケーションスキル>

2つ目の「コミュニケーションスキル」の観点では、志望者が一般的な受け答え(会話のキャッチボール)をスムーズにできるか、履歴書にある自分の経歴や志望動機などを相手に分かりやすく伝えることができるか、話していることに矛盾はないかを確認します。

人事担当は各配属先の部署の仕事内容や求められるスキルを具体的に把握しているわけではないので、専門的な会話は基本ありません。
どの配属先でも共通して必要となるような基本的なコミュニケーション能力が備わっているかを判断しています。

2次面接担当者もそれなりの役職者ですが、3次面接は役員クラスとなり面接できる人数も限られるため、専門性以外の部分でビジネスパーソンとして最低限のスキルが備わっているかをジャッジするのが1次面接の人事担当者の役割です。

②次面接: 配属先の現場責任者による面接

配属先現場責任者の志望者を見る視点は主に以下の3点です。

① スキル・経験

② 仕事に対する姿勢

③ 相性

ある意味、この2次面接が一番シビアです。
なぜなら、入社したときにはこの面接官が志望者の上司として直接的に仕事で関わるケースが多いからです。

志望者の能力が自分の仕事のパフォーマンス、成果に直結するので、2次面接の担当者は志望者が入社したときのことを具体的にイメージして、「現場の業務で本当に戦力になるのか」、「チームのメンバとして馴染めるのか」、「ポテンシャルはあるのか」などの視点で本気で見てきます。

また、募集人数に対して志望者が多い場合は、だいたい2次面接の段階で採用可能人数にまで絞られて3次の役員面接に送り込まれますので、実質最終面接といった見方ができる場合も多いです。

<スキル・経験>

1つ目の「スキル・経験」の観点では、履歴書に載っている経験やスキルについてもう少し具体的に確認し、履歴書にない実績や強みを持っていないかを引き出します。

書類選考を通過している時点で志望者の保有しているスキルセットが現場とマッチしていることは事前に確認できているので、その実績やスキルを現場のどういう業務で身につけてきたのか、どんな実績を作ってきたのかをプロセスを交えながら筋道立てて説明できると一層真実味が増して効果的です。

また、履歴書に書いたスキル(特に技術的なもの)についての質問は、自信を持って、淀みなく答えられるように予め準備しておきましょう。

現場で働く2次面接官は専門性の高い人間なので、自信のないスキルを自分の保有スキルとして適当に履歴書に書いていると、案外簡単に見抜かれます。
そうなると志望者に対する信用が一気に無くなってしまいますので、自信のないスキルは無駄に履歴書に書くのはやめておきましょう。

<仕事に対する姿勢

2つ目の「仕事に対する姿勢」の観点では、志望者の仕事に対する向き合い方、意欲を確認します。

会社の業務は来年どうなっているか分かりません。
今やっている業務がそのままの形で来年も続いているとは限らず、新たな技術を取り入れたり、サービスや業務範囲を拡大したりして、今持っているスキルがそのまま通用しなくなるケースも考えられるのです。

そうなった場合に、「自分に合わない」、「思っていたのと違った」と言って会社を去って行かれては困ります。
今後会社や配属先の業務の在り方が変わっても、常に意欲的に仕事に取組み、成長を続けていける人材かどうかを見極める必要があるのです。

そのため、「どんな業務でも意欲を持って取り組む」「常に成長していきたい」という前向きな姿勢を見せることが非常に重要です。

<相性>

3つ目の「相性」の観点では、志望者が所属のチーム、部署に馴染めるかを確認します。
仕事をこなす上でのスキルは問題なくても、会社に所属している以上、多くの業務をチームとして協力しながら進めていかなければならないため、協調性が大事になってきます。

チームの中に異質な存在が紛れていると、それが伝播してチーム全体の雰囲気が悪くなることもあり得ますので相性も大切な要素となりますが、極端に個性的な部分を見せずに明るく振る舞えば特段の問題はないでしょう。

③次面接(最終): 配属先の部長または担当役員

配属先の部長、担当役員が志望者を見る視点は主に以下の2点です。

① 会社を選んだ理由

② 将来のビジョンがあるか

現場の面接担当者が目の前の仕事に対する適性度を見るのに対し、部長、特に役員はもっと未来に目を向けた形で、長期的な目標や未来のビジョンを自分なりに持っているかを聞きたがる傾向があります。

基本的に部長、役員面接は現場が認めた人材なら問題ないというスタンスであることが多いですが、3次面接まで上がった志望者が募集人数を超える場合は3次面接担当者が決定することになるので、いかに良い印象で乗り切れるかが重要になってきます。

<会社を選んだ理由>

業界内の多くの会社の中からなぜこの会社を選んだのかは、部長、役員クラスが純粋に興味を持っていることが多いため、聞かれることが多い質問です。

嘘を付く必要はありませんが、会社や仕事内容の魅力を交えながら、少し大袈裟にでも自分なりの言葉で伝えられると印象がよくなります。
本当に志望会社に強い思い入れを持っていれば別ですが、事前に考えておかないと、なかなか難しい質問です。

<将来のビジョンはあるか>

役員クラスは中長期的なビジョンにこだわる傾向があります。
今の自分の能力をどう会社に生かせて、将来的にどう自分が成長しながら会社を良くしていけると考えているのか、多少熱を込めて語れるくらいが丁度いいでしょう。
まずは入社して現場を知らないと先のことは何も言えないよ というのはごもっともですが、聞かれる可能性が高い質問ですので、事前に話す内容をしっかり準備しておくことが望ましいでしょう。

<その他注意事項>

3次面接を担当する部長、役員クラスの人間は多忙なことが多いため、人事担当者がスケジュールを押さえるのも一苦労です。
そのため、3次面接の予約は人事担当者が指定した日程で可能な限り応じるようにしましょう。

日程調整に手間取っている間に、先に受けた他の志望者の採用が内々では決まってしまうという事態も多々ありますので要注意です。

まとめに

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いかがだったでしょうか。
面接のそれぞれのステップでの特徴と傾向はありますが、どのステップでも共通して必要な基本スタイルは

  • 元気よくハキハキ話す
  • 笑顔を出す
  • ネガティブなことを口にしない
  • 長々と話さない(結論から簡潔に)

の4つです。

非常にシンプルなことですが、同じことを話していても上記を意識した話し方だと受け手の印象が全然違います。
これは新卒、転職者関係なく、共通して必要なスタイルですので、こういったところを疎かにして損をしないように振る舞いましょう。

あなたの就職活動に少しでも参考になれば幸いです。

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